COLUMN家づくりコラム

住宅診断(ホームインスペクション)と耐震診断の違い

イエタッタ編集部
2022.07.04

住まいの状態を確かめる方法には、住宅診断や耐震診断があります。中古物件購入時やリノベーション時になど、建物の安全性や寿命を把握するのに重要な判断ですが、これらの目的には違いがあります。それぞれの特徴と違いについてお伝えします。

 

◆住宅診断とは
住宅診断とは、ホームインスペクションとも呼ばれる日本ホームインスペクター協会によると、住宅診断とは、住宅に精通したホームインスペクター=住宅診断士が、第三者的な立場、専門家の見地から住宅についてアドバイスを行なうこと。住宅の劣化状況、不具合事象の有無、改修すべき箇所やその時期、おおよその費用などを調査します。


住宅の購入前や、ご自宅の売り出し前にホームインスペクションをすることで、建物の状態を把握し、安心して取り引きを行うために行われます。住んでいる自宅についても調べることが可能です。
基本的な診断方法は、目視により、屋根、外壁、室内、小屋裏、床下などの劣化状態を確認します。また、機材を使った詳細診断もあります。


アメリカでは、週によって異なるものの、取引全体の70〜90%の割合でホームインスペクションが行われているそうです。近年、日本でも住宅診断をとるケースが増えています。

 


◆耐震診断とは
耐震診断は、大地震が起こったときに建物が倒壊しない十分な耐震性があるかどうかを調査すること。木造住宅の耐震診断の基準は、財団法人日本建築防災協会の「木造住宅の耐震診断と補強方法」が広く利用されており、「誰でもできるわが家の耐震診断」、「一般診断法」、「精密診断法」の3つの方法があります。


・誰でもできるわが家の耐震診断
木造建物のオーナー自らが住まいの耐震性を簡単にチェックする診断方法。自宅の耐震性能への理解や耐震知識を深め、より専門的な診断につなげるものです。


・一般診断
耐震改修等の必要性の判定を目的とした診断。必ずしも改修を前提せず、原則、調査において内装材や外装材を剥がしたりしません。建築士をはじめとした、建築に関する知識や経験の有る建築関係者が診断を行います。


・精密診断

改修の必要性が高い建物について、部材やそれらの接合部等に関する詳細な情報に基づいて、改修の必要性の最終的な判断を行う方法。また、改修後の耐震性も診断します。 診断には高度な知識と経験が必要なため、建築士などの専門家が実施します。


◆内容の異なる住宅診断と耐震診断。両方行うことが効果的
住宅診断は、建物の現状の劣化状況や施工の質を判断するもの。耐震性を見極める詳細な調査は行いません。耐震診断は、その建物の耐震性の診断に特化したもので、それ以外の劣化などについては調査しません。目的に応じてどちらかのみを行うのもいいですが、建物の詳細な状態を把握するためには、両方の診断を行うことが推奨されています。安全で快適な住まいで、長く暮らしていくためには、合わせたリサーチにより改修の必要性に応じてリフォームやリノベーションを実施しましょう。

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