COLUMN家づくりコラム

今年度改正された、「日本住宅性能表示基準」って?

イエタッタ編集部
2022.08.22

2022年4月1日、日本住宅性能表示基準が改正されました。日本住宅性能表示基準とは、住宅品質確保促進法に基づいて、国土交通大臣が定めた住宅性能の表示に関する基準のこと。日本住宅性能表示基準とは何か、具体的に改正によって何が変わったかについて紹介します。

 

◆住宅品質確保促進法とは
住宅品質確保促進法とは、本来は「住宅と品質確保の促進等に関する法律」といい、略して「品確法」とも呼ばれます。この法律で定められているのは、主に以下の3つ。


・新築住宅の瑕疵担保責任に関する特例
新築住宅の取得に置ける瑕疵担保責任に特例を設け、瑕疵担保期間を最低10年義務付け。それにより、住宅を建ててからの暮らしの安全を図ります。


・住宅性能表示制度
住宅の性能を契約より前に比較できるよう、新たに性能の表示基準を設定するとともに、客観的に性能を評価できる第三者機関を設置し、住宅の品質確保を図ります。


・住宅専門の紛争処理体制
建設住宅性能評価書を交付された住宅に関わるトラブルに対し、裁判外の紛争処理体制を整備し、万一トラブルが起きた場合にも紛争処理の円滑化、迅速化を図ります。2022年4月に改正されたのは、住宅品質確保促進法の「住宅性能表示制度」。住宅性能表示制度は10分野の項目があり、住まいの外見や簡単な間取りからは分かりにくい項目が優先されています。この制度に基づき発行される「住宅性能評価書」で、数値化された住宅性能が、住宅購入時の判断材料になります。

◆カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現に向けて住宅性能を向上
2050年のカーボンニュートラル、脱炭素社会の実現に向けて、住宅の省エネルギー性能の向上が必須になります。改正された日本住宅性能基準には、新たにZEH水準の等級が設定され、省エネ項目の断熱等性能等級および一次エネルギー消費量等級の両方が必須項目となりました。


2022年3月31日まで
・断熱等性能等級
等級4(H25基準相当)

等級3(H4基準相当)
等級2(S55基準相当)
その他(等級1)
・一次エネルギー消費量等級
等級5(低炭素基準相当)
等級4(H25基準相当)
その他(等級1)
2022年4月1日から
・断熱等性能等級
等級5(ZEH基準相当)★
等級4(H25基準相当)
等級3(H4基準相当)
等級2(S55基準相当)
その他(等級1)
・一次エネルギー消費量等級
等級6(ZEH基準相当)★
等級5(低炭素基準相当)
等級4(H25基準相当)
その他(等級1)

 

◆2022年10月には一戸建ての住宅はさらなる上位等級が新設
2022年10月に表示基準・評価方法基準がさらに改正され、戸建住宅のZEH水準を上回る等級が設定。2022年10月1日からは、断熱等性能等級6、等級7が新設される予定です。
断熱等性能等級
2022年9月30日まで
等級5(ZEH基準相当)
等級4(H25基準相当)
等級3(H4基準相当)
等級2(S55基準相当)
その他(等級1)
2022年10月1日からは
等級7
等級6
等級5(ZEH基準相当)

等級4(H25基準相当)
等級3(H4基準相当)
等級2(S55基準相当)
その他(等級1)
これらの改正により、私たちにどんな影響があるのかというと、今後は以前よりもより性能の高い住宅が供給されるということがポイントになるといえます。住宅性能評価を受けることで、住宅ローンの金利優遇や、地震保険料の割引があるのもメリット。優遇制度を含め、予算に合わせて等級レベルを考慮し、永く安心して暮らせる自分らしい住まいをつくってください。

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