地球温暖化時代の「暑さに負けない家づくり」

2025.09.17

なぜ「断熱」が命を守る家づくりになったのか?

近年、ニュースで「命に関わる危険な暑さ」という言葉を耳にする機会が急増しました。これは決して大げさな表現ではありません。環境省のデータによると、猛暑日や熱帯夜の日数は年々増加しており、それに伴い熱中症による搬送者数も過去最高を更新し続けています。

かつては「夏はエアコンを我慢する」という考えもありましたが、もはやそれでは命が守れません。「エアコンをつけっぱなしにすればいい」という対策も、電気代の高騰という新たな問題を生み出しています。

今、家づくりにおいて最も重要視すべきは、エアコンに頼りきりになるのではなく、住宅そのものの断熱性能を高めることです。断熱は、夏の

暑さを防ぐだけでなく、冬の寒さや結露を防ぎ、ひいては家族の健康を守るための、最も基本的な投資なのです。

 

家の「暑さ」はどこから来る?熱の侵入経路を知ろう

「なぜこんなに暑いんだろう?」と感じたとき、その熱がどこからやってくるのかを理解することが、対策の第一歩です。

熱の侵入経路

  • 窓からの熱(約70%): 家の外から入ってくる熱の約70%が、窓のガラスやサッシを通して室内に流れ込んでいると言われています。夏の強烈な日差しは、想像以上に熱を運び込みます。
  • 外壁や屋根からの熱: 太陽に熱せられた外壁や屋根も、時間をかけてじわじわと室内に熱を伝えてきます。

住宅の断熱性能が低いとどうなる?

  • 冷房効率の低下: エアコンを付けてもなかなか部屋が冷えず、設定温度を下げがちになります。外の熱がどんどん入ってくるため、エアコンは常にフル稼働し、電気代が高くなります。
  • 室内温度のムラ: 窓際や壁際は暑く、部屋の中心は少し涼しいといった温度差が生まれ、快適性が損なわれます。
  • 熱中症リスクの増加: 断熱性能の低い家では、日中に蓄積された熱が夜間も放出されず、室内が高温のままになります。特に、高齢者や子どもがいる家庭では、気づかないうちに熱中症になるリスクが高まります。

 

断熱性能を高める具体的な方法

家の断熱性能は、主に窓、外壁、屋根の3つの要素で決まります。それぞれに効果的な方法を知っておきましょう。

窓の断熱

窓は最大の熱の侵入経路であるため、最も優先して対策すべき場所です。

  • ペアガラス・トリプルガラス: 窓ガラスを2枚や3枚にすることで、ガラスとガラスの間に空気層やガス層が生まれ、熱を伝えにくくします。
  • Low-Eガラス: ガラスの表面に特殊な金属膜をコーティングすることで、太陽からの熱や紫外線を大幅にカットする効果があります。
  • 高性能サッシ(樹脂サッシなど): サッシの素材そのものも重要です。熱を伝えやすいアルミサッシではなく、熱を通しにくい樹脂や木製サッシを選ぶことで、さらに断熱効果を高められます。

外壁・屋根の断熱

  • 断熱材の種類と選び方:
    • グラスウール・ロックウール: コストパフォーマンスに優れ、広く使われています。
    • ウレタンフォーム: 吹き付けて充填するため、隙間なく断熱できるのが特徴です。
    • セルロースファイバー: 再生紙などを原料としており、高い断熱性能に加え、防音効果も期待できます。
  • 断熱工法:
    • 充填断熱工法: 柱と柱の間に断熱材を隙間なく詰める、一般的な工法です。
    • 外張り断熱工法: 柱の外側から家全体を断熱材で包み込む工法で、断熱性能が高く、結露防止にも効果的です。

 

遮熱対策も忘れずに

断熱材は「熱を室内に通さない」役割ですが、そもそも熱を家に入れない工夫も重要です。

  • 遮熱シート: 屋根の下に遮熱シートを貼ることで、太陽からの日差しを反射させ、家全体が熱くなるのを防ぎます。
  • 日射遮蔽: 窓の外側に庇(ひさし)や外付けブラインドを設けることで、日差しが窓に当たる前に遮断し、室内への熱の侵入を根本的に防ぎます。

 

熱中症から家族を守る家づくり

断熱性能を高めた家は、ただ涼しいだけでなく、家族の健康を守るためのさまざまなメリットをもたらします。

家の中の温度差をなくす

断熱性能が高い家は、部屋ごとの温度差が少なく、家全体がほぼ一定の温度に保たれます。これにより、特に高齢者にとっては、冬場の急激な温度変化によるヒートショックのリスクを大きく減らすことができます。また、シーリングファンを設置すれば、室内の空気を循環させ、冷暖房効率をさらに高められます。

全館空調システムのメリット

高い断熱性能と組み合わせることで、全館空調システムの真価が発揮されます。これは、家全体を1台のエアコンで効率的に冷暖房できるシステムです。部屋ごとにエアコンを設置するよりも光熱費を抑えられ、家全体の温度を快適に保てます。

感染症対策と換気システム

日本の住宅には、建築基準法で24時間換気システムの設置が義務付けられています。これは、常に新鮮な空気を取り入れ、汚れた空気を排出するためのものです。高機能な換気システムの中には、花粉やPM2.5だけでなく、ウイルスやハウスダストなどを除去できるフィルターを備えたものもあります。断熱性能の高い家は、この換気システムが効率的に機能するため、常にクリーンな空気を保てます。

 

まとめ 快適で健康に暮らすための家づくり

これからの家づくりは、単に「丈夫な家」を作る時代から、「家族の健康と命を守る家」を作る時代へと変化しています。

断熱性能を高めることは、初期費用がかかるかもしれません。しかし、その投資は、夏の暑さから家族を守り、冬の寒さを和らげ、結露によるカビの発生を防ぎ、そして何よりも、毎月の光熱費を大幅に削減してくれます。それは、未来の暮らしを守るための、最も確実で賢い投資なのです。

 

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いえたった関西編集部
本記事は、いえたった関西編集部が執筆・監修しています。
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