COLUMN家づくりコラム
住まいの安全を守る地盤調査について①
新しく家を建てるとき、必ず調べておくべきなのが地盤。建物自体をどれだけ頑健にしても、地盤に問題があれば安全であるとはいえません。今回は、新築時の地盤調査について紹介します。
◆地盤調査とは
地盤調査とは、建物を建築する前に、その土地の地盤がどんな状態かを確認するための調査です。施工会社を通じて地盤調査会社に依頼します。
調べることは、その土地がどのくらいの重さに耐えられるか。地盤が軟弱だと判断されたときは、地盤改良工事をしなければなりません。
◆地盤調査の方法
一般的に多い地盤調査の方法は、スウェーデン式サウンディング試験とボーリング調査。戸建住宅の調査方法として普及しているのは、スウェーデン式サウンディング試験です。
・スウェーデン式サウンディング試験
スクリュー状のロッドにおもりを1つずつ載せ回転させて地盤に貫入させていき、その回転数やおもりの重量で地盤の強度を判断します。ボーリング調査と比べて費用や時間が抑えられるシンプルな調査です。
・ボーリング調査
ボーリング機械を使って穴を掘り、ハンマーを落下させて強度を調べる方法です。マンションなどの規模が大きい工事や、間取りによってはボーリング調査が採用されます。
◆地盤調査報告書の見方
スウェーデン式サウンディング試験の調査報告書は、専門用語が多くなかなか読み解きづらいもの。グラフで標示されるので、基本的にはそれぞれの項目のバーの長さを見て判断します。以下に、項目の一つを紹介します。
・音感・感触、貫入状態
ロッドを貫入したときの音や感触などの擬音で表現される項目。
音感・感触
ガリガリ…角礫系が主体
ジャリジャリ…礫質土が主体
シャリシャリ…砂質土が主体
無音…粘性土が主体
貫入状態
ストン…早い自沈
スルスル…「ストン」と「ジンワリ」の中間的な速さ
ジンワリ…「スルスル」と「ユックリ」の中間的な速さ
ユックリ…ゆっくりと自沈する場合
打撃…荷重と回転を加えても貫入が不可能で、上部より打撃を加えること
貫入不能…打撃などを加えても貫入しない
※自沈層とは、回転させずにおもりを載せたけただけで沈んでしまう弱い地盤のこと
地盤調査報告書だけを見て、地盤改良の必要性を判断するのは難しいもの。専門家と相談しながら検討しましょう。次回は、地盤調査の結果、問題があることが分かった場合の地盤改良の種類などについてお伝えします。