COLUMN家づくりコラム

快適な家づくりに欠かせない断熱材。どんな種類がある?

イエタッタ編集部
2021.11.04

断熱材とは、熱の伝わりを遮断するための建築資材の一つ。外壁や屋根、床下など、外部と接する部分に取り付けます。

断熱材というと冬の寒さを防ぐのに必要だというイメージがありますが、寒さ対策としてだけではなく、冷房機器の機能を高める暑さ対策としても重要。さらに、建物の寿命に大きな影響をもたらす結露がしっかり防止できるかどうかも、断熱材の品質によって異なります。長く快適な暮らしを送るためには欠かせない断熱材。どんな種類があり、それぞれどんな機能があるのかを紹介します。

 

断熱材の種類は、おおまかに分けて「無機繊維系」「発泡プラスチック系」「天然素材系」の3つ。

 

 

◆無機繊維系(鉱物系)断熱材

 

「グラスウール」

ガラスを溶かして繊維状にし、接着剤を加えて作る断熱材。コストパフォーマンスに優れ、燃えにくく、経年劣化も少ないというメリットがあります。デメリットは水や湿気に弱いという点ですが、防水など施工方法に工夫をするなどの対策が可能。

形状は、ボードやマット、綿状にしたものなど。

 

「ロックウール」

 

天然石である玄武岩や、鉄を生産する際に出る鉄鋼スラグなどを溶かして繊維状にした断熱材。燃えにくく、湿気に強いという性質があります。繊維の間に空気が多く含まれており、防音効果もあり。

形状は、ボードやマット、綿状にしたものなど。

 

◆発泡プラスチック系断熱材

 

「ビーズ法ポリスチレンフォーム」(EPS)

ポリスチレン樹脂に発泡剤や難燃剤を加えて、ビーズ状にし、加熱発泡した断熱材。いわゆる発泡スチロールです。メリットは安価で軽量、衝撃や湿気に強いという点。デメリットは熱に弱いところです。

形状はボード状ですが、加工しやすく形や厚みを選ぶことができます。

 

「押し出し法ポリスチレンフォーム」

ビーズ法ポリスチレンフォームと同じ原料を使い、異なる製法で作る断熱材。硬質で耐圧力があり、水に強いという特徴があります。ビーズ法ポリスチレンフォームよりも熱を伝えにくいものの、同様に熱には弱いというデメリットが。

形状はボード状。

 

「硬質ウレタンフォーム」

ポリウレタン樹脂に発泡剤を加えて作る断熱材。私たちにとって身近な食器用スポンジや、ソファなどのクッション材に使われているスポンジを原料にしています。水や湿気に強く、断熱性能も高いのが特徴です。外張り断熱工法の定番として多く使われています。

形状はボード状、現場吹き付けなど。

 

「高発泡ポリエチレンフォーム」

ポリエチレン樹脂に発泡剤を加えた断熱材。耐水性、耐薬品性、耐熱性が高いのが特徴。柔軟性があるため、狭い箇所、小さな部分に充填しやすいというメリットが。

形状はボード状。

 

「フェノールフォーム」

フェノール樹脂に発泡剤や硬化剤を加えることで作られる断熱材。防火性に優れ、炎に当てても煙や有毒ガスの発生がほとんどありません。長期的に安定した断熱効果を発揮するというメリットがありますが、他の発泡プラスチック系断熱材に比べ、高価なのがデメリットといえます。

形状はボード状の他、金属板や石膏ボードの複合パネルなど。

 

「ポリエステル」

私たちにとって身近な素材である、ペットボトルを再生したポリエステル繊維で形成される断熱材。加熱することで形状が固定されるので、ホルムアルデヒドが発生する接着剤を使う必要がありません。透湿性能が高く、断熱性能が低下しにくいという特徴があります。燃えたとしても、炭酸ガスと水に分解され、有毒ガスが発生することもないので安全です。こちらも他の発泡プラスチック系断熱材に比べて高価であるという難点があります。

形状はボード状。

 

◆天然素材系

 

「セルロースファイバー」

無機繊維系に対して、木質素材系と呼ばれることもある断熱材。ダンボールや新聞などの古紙やおがくずを粉砕して、繊維状にしたものです。繊維間にいくつもの空気層を持ち、熱を伝わりにくくするという効果があります。適度な湿度を保ち、吸音性が高いという特徴もあり。古くから使われている素材です。

形状は吹き込み、吹き付けなど。

 

「ウール」

セーターなどの洋服と同じ羊毛から作られる断熱材。高い断熱性があり、天然素材ならではも適度な調湿効果があります。吸音性や耐久性にも優れていますが、取り扱い業者が少なく、施工費用が高くなるというデメリットがあります。

形状は、マット状や綿状。

 

 

多種多様な断熱材。それぞれにメリット、デメリットがあります。理想の住まいやライフスタイル、環境にどんな断熱材が向いているか、パートナーと相談してみてください。

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