COLUMN家づくりコラム

住まいの安全を守る地盤調査について②

イエタッタ編集部
2022.04.07

建物自体の耐震性などをどれだけ上げたとしても、建てた土地の地盤に問題があれば決して安全であるとはいえません。新築を考える際は、地盤調査は必ずしておくべき項目の一つ。今回は、新築時の地盤調査で問題があった場合の地盤改良について紹介します。

 

◆地盤調査を経て、地盤改良が必要とされるのはどんなケース?

通常、地盤改良工事が必要かどうか判断するためには、敷地周辺の情報や地盤調査の結果を総合的に見る必要があります。

昔は、十分な地盤調査をせずに建物を建てていたので、「不同沈下」が起こるケースもありました。不同沈下とは、軟弱な地盤上に建てられた建築物の重みで、建物が不揃いに沈んだり、滑り出したりする現象のことです。壁にヒビが入る、窓や戸が開きにくくなる、床が傾くなどの不具合が起きれば、この不同沈下が疑われます。

 

 

一般的に判断条件に用いられるのは、

 

・地盤が建物を支える強さを示す地耐力。数値が20~30KN/㎡以下で軟弱地盤と判断された場合は地盤改良が必要になります。

 

・周辺環境の情報。埋め立て地や盛り土でつくられた土地、過去に陥没した土地、液状化や不同沈下の可能性がある土地などは、地盤強化が必要とされます。

 

◆地盤改良工事の種類

地盤改良の方法は、主に3つ。地盤の構造や強度、建物の重さなどによって異なります。専門家の判断に基づき、最適な方法で地盤を補強していきます。

 

・表層改良工法

表層改良工法は、地表周辺を固める地盤改良工事。地盤の軟弱な部分が地表から2mまでの浅い場合に用いられる工法です。この工法は、地盤が弱い層が2m以下、比較的浅い層に強固な地盤の支持層がある場合に用いられます。軟弱な表層部を掘削し、セメント系固化材を土に混ぜて強度を高めます。他の方法と比べて安価ですが、深くまで補強が必要な場合には向きません。

 

・柱状改良工法

柱状改良工法は、しっかりとした地盤までセメントを注入して、円柱状に固めた改良杭を作って建物を支える地盤改良工事のこと。軟弱地盤の深さが地中2~8mの場合に用いられる工法です。直径60cmほどの穴をあけ、セメントと水を注入して土と混ぜて撹拌し、円柱状の固い地盤を築くことで強化します。

 

 ・鋼管杭工法

鋼管杭工法は、鋼管で地中から建物を支える地盤改良工事。柱上改良とは異なり、鋼管で地盤を補強します。地中30mまでの地盤補強が可能。工事に掛かる日数も1~2日程度なので、工事を短期間で終わらせることができます。また、重機を搬入しにくい狭小な土地などにも適しています。

 

地盤調査を経て、問題があれば地盤改良を行いましょう。何もせずにそのまま建ててしまうのは、後々のトラブルの元。専門的な用語や内容が多々あるので、信頼のおける建築会社を通して専門業者に依頼して、安心のできる家づくりを進めてくださいね。

 

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