COLUMN家づくりコラム

注文住宅のはじめの一歩、土地探し・土地選びのコツについて《前編》土地ルールについて

イエタッタ編集部
2024.01.10

注文住宅のはじめの一歩、土地探し・土地選びのコツについて《前編》土地ルールについて 

 

土地のルール

 

土地探しをする前に知っておくべき重要な点は「土地には種類がある」ことです。

すべての土地が同じではなく、住宅を建ててよい土地もあれば工場や商業施設が混在する土地、また住宅を建築できない土地など複数の種類があります。

 

ここでは注文住宅の土地探しに役立つ土地の種類とその選択時に留意すべきポイントをご紹介します。

土地購入後の問題を避けるために必要な知識を、この記事で身につけていただきたいと思います。

 

なお、こちらは前編なので、中編・後編もご参考にしていただければと思います。

・注文住宅のはじめの一歩、土地探し・土地選びのコツについて《中編》土地の良し悪しの見極め方

・注文住宅のはじめの一歩、土地探し・土地選びのコツについて《後編》知っていおきたい情報

 

目次--------------------------------------------

・土地の使用にもルールがある!「用途地域」とは?

・13種類の用途地域にはどのようなものがある?

・第一種低層地域で3階建てを建てるのは難しい?

・セットバックとは?

・大阪・兵庫・京都・奈良・和歌山の用途地域の調べ方

・大阪・兵庫・京都・奈良・和歌山で注文住宅をお考えならイエタッタへ

・関連リンク

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土地の使用にもルールがある!「用途地域」とは?

 

用途地域とは?

 

用途地域とは、土地に建築できる建物の種類を制限するルールのことです。

大きく分けて、住居系・商業系・工業系の3つがあります。

 

具体的な制限は、以下のものがあります。

・建物の高さ制限

・建物の床面積の制限

・建物の種類の制限

 

用途地域のルールは環境保全や使いやすさの向上のために設けられています。

例えば、住宅に突如巨大なビルや工場が建つと騒音や日照の問題が出てしまいます。

しかし、住宅だけでは職場や商業施設が遠くなり不便です。

そのため地域によっては住宅と工場や商業施設が混在するエリアや、工場や商業施設のみのエリアも存在します。

 

【住居系】

建物の高さや床面積の制限があり、戸建てが中心のエリアもあれば中高層マンションや商業施設があるエリア、農業の利便性を促進するためのエリアがあります。

 

【商業系】

住居系のエリアよりも床面積が広い商業施設やオフィスビルが建築できます。

 

【工業系】

工場が中心で住宅や店舗も混在するエリアや、公害の恐れのある大きい工場が建築された住宅や学校などはないエリアがあります。

 

 

13種類の用途地域にはどのようなものがある?

 

用途地域の住居系・商業系・工業系は合計13種類が存在します。

住居系の種類が最も多く、住宅環境を守りながら買い物や通勤に便利な環境です。

注文住宅を建てるときの土地は住居系から選ぶことが一般的で、商業系や工業系は大きな建物や騒音などに注意しなければなりません。

 

【住居系】

・第一種低層住居専用地域

・第二種低層住居専用地域

・第一種中高層住居専用地域

・第二種中高層住居専用地域

・第一種住居地域

・第二種住居地域

・準住居地域

・田園住居地域

 

【商業系】

・近隣商業地域

・商業地域

 

【工業系】

・準工業地域

・工業地域

・工業専用地域

 

それぞれの地域がどのような地域なのかを詳しく見ていきましょう。

なお、下記の情報は国土交通省の都市計画法(昭和四十三年法律第百号)と東京都都市整備局の用途地域による建築物の用途制限の概要を元にしています。

 

①【住居系】第一種低層住居専用地域

 

第一種低層住居専用地域は、低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域とする。

(都市計画法第9条1項より引用)

 

つまり第一種低層住居専用地域は静かで落ち着いた住環境が保たれており、都心部の喧騒から離れた環境で生活したい人々に適したエリアとなっています。

 

詳しく用途の種類を見ていくと、住宅、共同住宅、寄宿舎、下宿などの他、幼稚園、小学校、中学校、高等学校や図書館等、郵便局、巡査派出所などの公共施設も建築可能となっております。
しかし、公共施設の中にも建設不可能なものも決められており、病院や大学、自動車教習所などは建設不可です。

また、兼用住宅を建てる場合は非住宅部分の用途制限が設けられており、非住宅部分の床面積が、50㎡以下かつ建築物の延べ面積の2分の1以下のものでなければいけません。

そして注文住宅を建てる場合最も気にしなければいけないのが高さ制限で、10メートルまたは12メートルまでに制限されており道路斜線規制、北側斜線規制、日影規制、および建物の外壁までの距離を1メートルまたは1.5メートル離す後退距離制限が設けられています。

 

②【住居系】第二種低層住居専用地域

 

第二種低層住居専用地域は、主として低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域とする。

(都市計画法第9条2項より引用)

 

つまり静かな住環境と利便性の両方を求める方におすすめのエリアとなっています。

 

この地域では第一種低層住居専用地域と異なり、店舗等の床面積が150㎡以下のもので日用品販売店舗、喫茶店、理髪店、建具屋等のサービス業用店舗のみ建築可能となっています。また、パン屋、米屋、豆腐屋、菓子屋、洋服店、畳屋、建具屋、自転車店等で作業場の床面積が50㎡以下の建物も建てることができます。

そしてサービス業用店舗についても、作業場の床面積が50㎡以下の建物についても階数の制限があり、2階以下となっています。

 

③【住居系】第一種中高層住居専用地域

 

第一種中高層住居専用地域は、中高層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域とする。(都市計画法第9条3項より引用)

 

つまり静かな住環境を求めつつ、分譲マンションなどの中高層住宅を購入したい方に適したエリアとなっています。

 

この地域では第一種・第二種低層住居専用地域と異なり、住宅建築に高さ制限はありません。

しかし道路斜線規制や北側斜線規制、日影規制に加えて、隣地斜線規制など他の制約が適用され、隣地の日照や通風、採光を確保するために建物の高さや形状が制限されます。

また、第二種低層住居専用地域より建設できる店舗や事務所の制約が緩くなり、2階以下かつ床面積の合計が500㎡以内の一定の店舗、飲食店等なら建てられます。

さらに、建築可能な公共施設の種類も増え、大学、高等専門学校、専修学校等や病院なども建てられるようになります。

 

④【住居系】第ニ種中高層住居専用地域

 

第二種中高層住居専用地域は、主として中高層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域とする。(都市計画法第9条4項より引用)

 

つまり利便性の高い分譲マンションの購入を希望する方々にとっておすすめのエリアとなっています。

 

高さ制限はなくその他の制約が第一種中高層住居専用地域と同様に適用されますが、建設できる店舗・事務所の条件が「当該用途に供する部分が2階以下かつ1,500㎡以下の場合」とかなり緩和されます。

さらに1,500㎡以内かつ2階以下の農産物の生産、集荷、処理施設や農産物や農業の生産資材を貯蔵する倉庫なども建築できるようになります。

 

⑤【住居系】第一種住居地域 

 

第一種住居地域は、住居の環境を保護するため定める地域とする。

(都市計画法第9条5項より引用)

 

ここは利便性を重視する方に適したエリアであり、静かな住環境よりも施設へのアクセスを重視する方に向いています。

 

高さ制限や北側斜線規制がなくなり、他の住居専用地域に比べて住宅をより密集して建築することが可能です。また、住居専用地域では建てられなかった 3,000㎡以内のホテルや旅館、ボーリング場、スケート場、水泳場、スキー場、ゴルフ練習場、バッティング練習場等の遊戯施設まで建築可能になります。

さらに、作業場の床面積の合計が50㎡以内の工場で危険性や環境を悪化させるおそれが非常に少ないものを扱う工場なども建築できるようになりました。

 

➅【住居系】第ニ種住居地域

 

第二種住居地域は、主として住居の環境を保護するため定める地域とする。

(都市計画法第9条6項より引用)

 

こちらの地域は住宅と商業施設が混在する地域であり、生活の利便性を追求する方におすすめのエリアとなっています。

10,000㎡以内のカラオケボックス等、麻雀屋、パチンコ屋、射的場、勝馬投票券発売所、場外車券売場等の娯楽施設など建築できるようになるものが多くなります。

また、火薬、石油類、ガスなどの貯蔵・処理の量、危険物のや農産物の生産、集荷、処理施設などの建物も、1,500㎡以内かつ2階以下から3,000㎡以内に制限が緩和されます。

 

⑦【住居系】凖住居地域

 

準住居地域は、道路の沿道としての地域の特性にふさわしい業務の利便の増進を図りつつ、これと調和した住居の環境を保護するため定める地域とする。

(都市計画法第9条7項より引用)

 

つまり国道や主要道路に面している地域であり、車の利用が多い方や、騒音などが気にならない方に適したエリアと言えます。

 

第二種住居地域と違いは、床面積の制限があるものの劇場、映画館、演芸場、観覧場、ナイトクラブ等の建築が可能になります。また建設できる自動車修理工場の面積や倉庫業倉庫など、工場・倉庫系の制限も少し緩和されます。

 

⑧【住居系】田園住居地域

 

田園住居地域は、農業の利便の増進を図りつつ、これと調和した低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域とする。

(都市計画法第9条8項より引用)

 

この地域は、農業を営む人々が住居と農業を近くで両立させたい場合に適しています。

 

ほぼ第一種低層住居専用地域と制限規定は同じですが、農業に関する制限が緩和されています。

例えば、2階以下、店舗等の床面積が150㎡を超え、500㎡以下に設計すれば、農産物直売所、農家レストラン等を建てることができます。

また、農産物及び農業の生産資材を貯蔵する建物にすれば、自家用倉庫も建築可能です。

 

⑨【商業系】近隣商業地域

 

近隣商業地域は、近隣の住宅地の住民に対する日用品の供給を行うことを主たる内容とする商業その他の業務の利便を増進するため定める地域とする。

(都市計画法第9条9項より引用)

 

ここは一般に騒音や活気のあるエリアであり、居住空間としてはあまり静かではないため、昼間は家にあまりいない方に適しているかもしれません。

 

ここでは住宅や店舗、ホテルや旅館、公共施設を建てることはもちろんのこと、危険がそれほど高くない工場や倉庫等であれば建設することができます。

ただし、キャバレー、個室付浴場等の建築物に関しては、この地域では建設することは出来ません。

 

⑩【商業系】商業地域

 

商業地域は、主として商業その他の業務の利便を増進するため定める地域とする。

(都市計画法第9条10項より引用)

 

こちらは完全に商業に特化しているエリアであり、住居を構える場合でも利便性を重視する方に限られる傾向があります。

 

近隣商業地域とほとんど制限は同じですが、キャバレー、個室付浴場等の建築物も建てることができます。

 

⑪【工業系】凖工業地域

 

準工業地域は、主として環境の悪化をもたらすおそれのない工業の利便を増進するため定める地域とする。

(都市計画法第9条11項より引用)

 

こちらは主に工場に隣接した地域に位置し、工場労働者が居住するのに適したエリアとされます。 

 

商業地域と比べると、やや危険度の高い工場や倉庫を建てることができます。また、自動車修理工場の面積の制限もなくなります。

 

⑫【工業系】工業地域

 

工業地域は、主として工業の利便を増進するため定める地域とする。

(都市計画法第9条12項より引用)

 

工業地域は工業に焦点を合わせたエリアであり、多くは湾岸地域に位置しており、時には高層マンションが建設されることもあります。

 

凖工業地域よりも危険度の高い工場や倉庫を建設することができます。しかし、準工業地域では制限されていなかった、床面積が10,000㎡を超える店舗や、ホテルや旅館、劇場、映画館、演芸場、観覧場、ナイトクラブ、キャバレー等の施設は建設することは出来ません。

 

⑬【工業系】工業専用地域

 

工業専用地域は、工業の利便を増進するため定める地域とする。

(都市計画法第9条13項より引用)

 

ここは、主に工業の発展を促進するために指定されるエリアです。

この地域では事務所や巡査派出所、一定規模以下の郵便局、公衆浴場、診療所、保育所など公共施設の中でも制限が多く、住宅の建設も許可されていません。

 

このように地域にはそれぞれ用途が決まっているので、どの地域が自分のライフスタイルに合っているのか考えたうえで、注文住宅を建てましょう。

 

 

《用途地域関連のよくある質問①》第一種低層地域で3階建てを建てるのは難しい?

 

第一種低層地域について

 

用途地域の中で最も制限が厳しいのは、第一種低層住居専用地域です。

3階建ての住宅も建てられますが、高さが10mまたは12m以下にしなければなりません。

 

さらに、日影規制斜線制限にも注意が必要です。

冬至に隣り合った建物に日が当たらないことがないよう高さ制限があり、さらに北側に隣り合った住宅に対する高さ制限もあります。

建物を3階建てにすると、日影規制や斜線制限に引っ掛かることが多いため、2階建て住宅が現実的です。

 

しかし、高さ制限があるエリアのため、隣り合った建物の影響で日当たりが悪くなる心配がありません。

高層マンションやビルが建てられることもなく、閑静で日当たりの良さを重視する方に第一種低層地域はおすすめです。

 

 

《用途地域関連のよくある質問②》検討している土地が複数の用途地域にまたがる場合は?

 

建物の用途は敷地内で最も広い用途が全体に適用されます。つまり、敷地内の建築物の位置は考慮されず、用途地域の面積比率で判断されます。

敷地が3つ以上の地域にまたがる場合は、各用途地域ごとに建築可能な部分を合計し、過半を占めるかどうかで決定されます。

 

建物の高さは用途地域ごとに適用される規制があり、それぞれの用途地域の制限に従います。また、道路斜線制限や隣地斜線制限、北側斜線制限もそれぞれの用途地域ごとに適用されます。

建物全体に関して、防火・準防火の規制は最も厳しいものが適用されます。

建ぺい率や容積率は、それぞれの用途地域ごとの敷地面積に応じた面積の割合で計算されます。つまり、加重平均を考慮して算出されます。

 

検討している土地が複数の用途地域にまたがっているとそれぞれの項目ごとに建設可能範囲が異なってくるので、自分が思い描いている注文住宅が建てられるか慎重に考えてから決定しましょう。

 

 

用途地域以外の知っておきたいルール!セットバックとは?

 

第一種低層地域について

 

現在の建築基準法では、防災上の理由から家を建てる土地は4m幅以上の道路に2m以上接している必要があります。

しかし、昔に建てた住宅でこの基準を満たしていない場合、建て替えるときに土地を後退させる必要があり、これを「セットバック」と呼びます。

このような土地は「要セットバック」となるため注意が必要です。

 

セットバックは向かい合った土地を考慮した距離を後退させます。

道路の中心から同じ距離を後退させることとなり、例えば3mの道路ならお互いに0.5mずつの後退が必要です。

ただし、向かいが川・崖・線路の場合は、1m後退しなければなりません。

 

 

大阪・兵庫・京都・奈良・和歌山の用途地域の調べ方

 

用途地域は自治体のホームページや市役所の都市計画課で確認することができます。

大阪市、兵庫県、京都市、奈良市、和歌山県の用途地域の詳細はそれぞれのリンク先で確認可能です。

 

大阪市の用途地域の検索はこちら

 

兵庫県の用途地域の検索はこちら

 

京都市の用途地域の検索はこちら

 

奈良市の用途地域の検索はこちら

 

和歌山県の用途地域の検索はこちら

 

 

大阪・兵庫・京都・奈良・和歌山で注文住宅をお考えならイエタッタへ

 

注文住宅の土地探しでは、用途地域に注意が必要であることをご紹介しました。

「閑静な住宅地を選びたい」「お店や職場が近いほうがいい」などの希望によって選ぶ土地は変わるため、気になった土地の用途地域を調べるようにしましょう。

 

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